金賞杜氏の日本酒情報局

日本酒製造現場からの情報発信

杜氏のお正月

皆さんあけましておめでとうございます。

本年も是非「金賞杜氏の日本酒情報局」を宜しくお願い申し上げます。

 

元旦ですが世の中の社会人が全員一斉に休日になるような単純化した世の中ではありませんから、時短やら振替休日やらでそれぞれのお正月を過ごしたら良いのではと思っています。

 

コンビニのお正月営業の問題が取り上げられているのを見ましたが、売上や信用を落としてでも休みたいと思うなら休めばいいし、今まで通り営業したいと思えばお正月も営業したらいいし、「大人なんだから自分で考えたらよくね」って感じです。そして周囲もその人が決めたことをちゃんと尊重してあげること。それで世の中うまく回れば何てことない話題だと思いますよ。

 

本部の意向がとか、契約がどうとか、色々あるんでしょうけど、裁量権とか自分の頭で考えるとかいう基本的な部分が抜けてしまっていますよね。裏を返せば、「勝手に決めるな」「わがままは許さない」ってこと。

 

恐っ!

 

お正月でもそれ以外でも、コンビニのオーナーさん、休みたい日があるならいつでも休んでいいですよ。(消費者の声)

 

前置きが長~くなりましたが、僕は元旦から出社させていただきました。

別にエライとかブラックとかそういうのじゃなくて、毎年のことって感じだし、そもそも年間の製造計画を淡々とこなしていかないとってのが当蔵での杜氏としての責務だと考えますので。

酵母を培養する工程の「酒母」は育てないとならないし、季節商品の純米酒純米吟醸酒のモロミは元気に発酵中です。タンクの電源は落ちていないか、蔵の安全は大丈夫なのか、緊急のFAXやメールの問い合わせは来ていないか、世の中が動く限り、そして日本酒の製造をスタートしてしまったら、曜日や行事は関係ないんですよ!

 

結局「仕事」ですから。

 

自分は何で生かされているのか?家族の生活を守るのには何が資本となっているのか?そう考えればやるべきことは自ずとわかりますでしょ?

 

日本酒業界とはそういうものです!とまでは言いきりませんが、当蔵の事情としてお正月休み中の蔵の管理業務は「杜氏の責任」です。

 

うちはこれまでこのブログで記してきた通り、1/4が仕事始めですから、蔵人達は通常業務には出てくる必要はありません。ただ「生き物」を扱っている限り、生き物の都合で動かないと「良い酒」はできません。

 

製造責任者という職に居続ける限り、その職務を果たさないと蔵人もついてきてくれないんですよ。別にパフォーマンスじゃないんですけど・・・

 

でもね、杜氏のお正月は至って質素なもんです。

 

家族は妻の実家に帰省して「じいじ、ばあば」と水入らずの時間を楽しんでいますし、僕は帰宅すれば自炊して静かなリビングでこうしてブログを発信するというようなお正月になるわけですから。

 

皆さんは2020をどのようなスタートでお過ごしですか?

今年もお互い頑張りましょうね!