金賞杜氏の日本酒情報局

日本酒製造現場からの情報発信

成人の日に日本酒を!

世間は3連休真っ只中!

僕ら酒造り職人は、カレンダーではなく「仕込み予定表」を基準にスケジュールは決まります。よってこの3連休も当然「全出勤」!

成人の日が絡んでの3連休だそうで、思わず自分の成人の日を思い返してしまいました。ドカ雪でね。大雪で大変でした・・・ 多くの新成人の方々は、比較的晴天に恵まれた晴れの日を過ごされたこととお喜び申し上げます。

さて、当ブログは「日本酒」に関するブログですから、せっかくなので成人の日と日本酒をテーマにお送りしたいと思います。

20歳になれば日本の法律では「飲酒」が認められます。まだ自分が「飲めるタイプ」か「飲めないタイプ」かわからないでしょうが、乾杯して一杯できる権利を得たのは大人の階段を確実に一段登れた実感を覚える瞬間だと思います。

僕が始めてお酒を飲んだのは、小学生の時でした。
リトルリーグのキャプテンをしていた時に、新春のグラウンド開きの催しがあり、清めの一杯が「初飲酒」です。別に飲まなくても良かったんですけどね・・・
きっと子供心に変な責任感が芽生えてしまったのでしょう。

今でもはっきりその「味」を覚えているんですけど、マジで「不味」かった。

アルコール臭満載で、ザ・酒って印象でした。今思えば、きっと三増酒だったのかもしれません。もう30年も前の話ですもん!

自分は運が良かったのかどうかわかりませんが、日本酒初体験の印象があまり芳しくなかったタイプですが、その後の嗜好が決してお酒類を敬遠することなく、更にお酒を造ることを仕事に選んでしまった人間ですけど、やはり最初に飲む一杯は、美味しい酒であることに越したことはないと思いますし、日本酒を最初に飲まなくても、それなりに高品質とされるお酒類を人生初体験の酒にしてもらえたらと思います。

僕は造り手ですから、自分が手掛けている日本酒は全て新成人の方々に自信をもって「初体験酒」としておすすめできます。うちの風味事態が日本酒初心者の方やこれから日本酒を飲みたいと考えている人達向けの設計になっているということもありますが、まだ自分にどんな酒が合うのかわからない時期には迷わずうちの酒を試してみたらきっと楽しい「飲酒人生」のスタートを切れると思います。

これから益々「飲酒人口」は確実に減少していきますし、若い人達の日本酒業界新規参入は僕達としたら「大歓迎」しちゃいますよ。

最近の成人の日の式典では、ちょいと昔ほどやんちゃな新成人の人達は減っているような感もあるから大丈夫だとは思いますけど、どうか日本酒を罰ゲームの一気飲みの酒などには使わないで欲しいと願います。

僕らは日本酒を「命を削って」造っている自負がありますから、勢いやノリだけの飲酒スタイルだけはご遠慮ください。これは、ベテランの飲み手の方々も同様です。

自分のペースで、ゆっくりのんびり、雰囲気や相手を楽しむように、ほっこりする一時を日本酒で彩って頂けたら嬉しいです。

日本酒業界としても、もっと新成人が快くお酒を楽しめるきっかけになるようなイベントを企画できればいいのではと考えます。大事なお客さんですから。飲酒=ファッションみたいな感覚で新成人の方々には日本酒に触れてみてはいかがでしょうかとご提案したいっすね。

若い女の子がグラスで日本酒飲んでる姿なんてかわいいじゃないですか~

日本酒造組合を挙げて、業界全体で盛り上げられたら強力な発信力になりますしね。

今夜は「成人の日の夜」ですから、成人の皆さん、大いに飲酒をお楽しみ下さい!おめでとう!