金賞杜氏の日本酒情報局

日本酒製造現場からの情報発信

消費税の影響は?

10月の消費税10%へアップされてから2ヶ月がたとうとしています。我々日本酒業界に従事する人間も、同業他社の影響は気になるところです。講習会や造り手の集まりなどで、情報収集したり。

ニュースでは、12月の上場企業のボーナスの平均支給額が96万円の過去最高額になるそうな・・・
大手にお勤めの皆様、手にしたボーナスはどうか有意義にお使いになって、世の中の経済を少しでも動かしてやってくだされ。

日本酒を含むお酒類は、いわゆる贅沢品でありますゆえ、景気の動向にはやはり影響を受けやすいアイテムです。ここ数年は、ずっと冬の時代と言われてきた日本酒業界も、ようやく底を打った感があり、様々なタイプの日本酒が活発にリリースされたりで結構好調な傾向が続いておりました。

が、

我が蔵の事情から紐解けば、9月末の駆け込み需要はありませんでした。(前年比90%)10月の増税スタート月は、地域のお祭りなんかがあったにも関わらずダメ。(前年比80%)そして今月。ここ数日寒いも増えてきてますが、日本酒が動くなぁという現場の感覚は乏しく、実際月末の本日付けで前年比85%となっております。

うちに関しては、消費増税の影響はもろに受けていると言って良いでしょう。

12月に関しては、酒蔵にとって一年間で一番売上を稼げる月となり、繁忙期としなければならない月です。うちの場合は、9月決算ですので、12月もこの状況が続くようですと、今期自体の成績に大きく影響してしまいます。
酒類は軽減税率の対象外ですしね。
世の中「ちょっと酒、我慢しとくか」って風潮は否めませんね。
他社の動向も、僕の知る限り同様の蔵が多いようなので、オリンピックまではとりあえず我慢の時期だと覚悟が必要なのかもしれないです。

オリンピックが終わる来年9月以降、社会情勢があまりに落ちこみが酷いようだと、廃業に追い込まれる蔵もあちこちで出てくるかもしれません。まぁその辺は日本酒業界に限った話ではないでしょうが。

僕らが当面できることは、良いお酒を造り続けること。コツコツ努力を積み重ね、1本でも多くの方々に飲んでいただけるようアピールしていきたいと思います。

12月の売上は、近未来の日本酒業界を占うことにつながりそうなので、令和元年を気持ちよく締めくくれるようがんばりたいと思います❗️

皆さん、日本酒の季節ですよ!
是非くいっと一杯やってくださいね。