金賞杜氏の日本酒情報局

日本酒製造現場からの情報発信

12月の日本酒業界。

いよいよ12月。一年間の締めくくりを皆さんも様々な思いでお過ごしのことと思います。

全国の酒蔵にとって、12月は一年間で一番売上が伸びる月としてとらえている酒蔵が多いと思います。うちの蔵も、月単位の平均売上の倍の売上を見込んでいます。

木枯しが吹いたの吹かないの、天気予報では暖冬って言わんばかりですが、やっぱりここ数日ぐ~んと冷え込んできたのは間違いないので、世の中も日本酒にフォーカスが絞られやすい状況になってきました。

今年は増税の影響もあり、うちの状況は10月11月とあまり売上は芳しくなかったのですが、12月の動向には大いに期待が持てるので、製造に出荷に蔵人一同頑張っていけたらと思います。

全体的に12月はお酒が動きやすいですが、やはりクリスマスが過ぎた25日の夜以降、31日の午後3時頃までの一週間が忙しさのピークになる傾向が多いです。今はすっかりスーパーや百貨店はクリスマスムードで彩られていますけど、25日を境に世の中一気にお正月ムードに様変わりしますからね。日本の社会ってすごいと思います。

うちは蔵人全員で製造と出荷に関わるのですが、中には製造のボリュームを抑えて、または全く製造せずに出荷に専念するという酒蔵も増えてきているようです。どうしても少ない人数で通常業務を回さざるを得ない所が多いですからね。
それほどメリハリを付けた就業体制を敷いてでも、12月は酒蔵にとって「スーパー繁忙期」で売上重視でいかないとって感じでしょう。

売上のメドを付けやすいことで、年明けの使用米や設備投資への支払い計画にまわしやすいと考える蔵元さんも多いはず。色々ありますからねぇ、酒税やら消費税の支払いとか。

1升¥10000クラスのお酒もこの時期はポンポン出荷されますので、酒蔵で働く人間にとっても大変だけど結構楽しくもある月です。

毎年の12月は、前年比や前々年度の数字を越えられるのか、31日間の勝負は重要です。

全国の蔵人達はいつも以上に今月は頑張るはずですので、飲み手の皆さんも是非応援のほどよろしくお願いいたします。
そして、これまでにない、体験したことないくらいの美酒に巡りあわれることを切に願います。