杜氏さんの休日について♪
本日僕は休日です。
現在の日本酒製造に関わる蔵人(くらびと)のほとんどは、一般のサラリーマンと同様に、日々蔵に通勤という形が多くなりましたが、まだまだ昔ながらの「出稼ぎ型」の労働形態をとっている蔵では、親方衆が地方から蔵に来て、泊まり込みで酒造期(11月~4月くらい)の約半年を酒造りに費やす。という労働形態をとっています。
僕の働く蔵は、完全に社員制で酒造期は9月から翌年7月までというほとんど年中仕込みの形を取っておりますが、微生物を取り扱う仕事柄、また、多くの蔵が中小零細企業で基本的に最低限の就労人数で賄っている蔵が多いため、「休日をいかに取るか」というのが結構大きなテーマになるのです。
働き方改革が叫ばれている昨今、日本酒業界はまだまだその点で遅れをとっていることは否めないと思いますので、蔵人の労働環境としては「ブラック」がほとんどではないでしょうか?
僕は社員杜氏として上記の期間、これまで10年ほど酒造りに関わってきましたが、年間休日は平均30~40日です。
あくまでも1日のうち一度も蔵へ入らないというのを数えてという条件を付けての話ですが、宿直明けに一度帰宅して夜に醪のチェックに再び蔵に来たり、休日扱いにしていても朝出社してタンクの状態などをチェックしてから帰宅するなんてのは「休日扱い」にカウントしてしまいますので、年間終日完全休日数というのは大体35日くらいという感じです。
好きな仕事だし、やりがいもあるし、伝統文化を継承している実感があるし・・・・・
でも一般的に見て雇われでこの形はやっぱり「なし」だと思います。
実は今日も、休日を今こうしてブログを書くという行為で過ごしていますが、夜には醪のチェックをしに蔵へ行く予定です。
休日出勤手当、残業手当は年間労働時間制を取ることや見込残業時間手当として給料に盛り込むことで何となく一般的な年齢に応じた平均年収に近くなるよう帳尻を合わせる給与形態にもなっているので、酒造りが好きだぁ!って心底感じている人じゃないと蔵人って続かないでしょう。
蔵人になりたいって人は業界人として大いに歓迎するので、質問等ある方はコメントいただければできる限りお答えします。
蔵人、杜氏の休日は「仕事の都合」で休日は決まるというのが基本なので、酒造期に旅行に行きたい。家族とのんびりした休日を過ごしたい。趣味が多い。人はやめておいた方がいいです。
そのかわり、酒造りは大変ですがめちゃくちゃ楽しいですし、ものすごいやりがいある素晴らしい仕事だと思います。